William Hillによるリアルタイムデータとパーソナライズされたカスタマーエクスペリエンスのピボット化

注:本記事は(2022年1月19日)に公開された(How William Hill Pivoted to Real-Time Data and Personalised Customer Experiences)を翻訳して公開したものです。
William Hillについて
1934年に設立された郵便や電話によるベッティングサービスを提供するWilliam Hillは、競馬の代名詞とも言える歴史があります。創立以降、サービスの対象を他のスポーツにも広げ、1966年には小売事業にも参入し、現在では1400店舗を構えるまでに至っています。デジタル革命の可能性の恩恵を受け、今や同社は6つのブランドに従事する1万人以上の従業員を抱えるまでに成長し、10か国にある事務所を通じて事業を運営しています。
SnowflakeがWilliam Hillへ提供する付加価値
- データサイエンスチームによる、マーケットニーズに対応する包括的なモデルの素早い構築が可能
- 多様な運用システムや製品システムから取得したデータの容易な結合、同化、分析
- データサイエンスとマーケティングの密な連携による、カスタマーエクスペリエンスの改善点の特定と向上
地球規模で考え、足元から行動せよ
William Hillは規制が非常に厳しい業界に属しており、同社はこの点を重要視しています。規制の厳しさに加え、それぞれが独自にさまざまな規制や要求事項を持つ13か国で事業を展開しており、法令遵守における難しさも抱えています。
同社のビジネスは実店舗と増加の一途をたどるオンラインビジネスの双方から得られるPOS情報を通じ、膨大な量のデータを生成しています。同社にとってデータは事業戦略とテクノロジー戦略双方の一部を成すものであり、コロナ禍において顧客の大半がデジタル取引へと移行する中、さらに重要度を増しています。同社は、よりカスタマイズされた個人的サービスやより安全な遊び方の提供を通じて、顧客との結びつきを強化しています。
同社が実店舗の提供サービスのデジタル化を加速させる中、データクラウドに向けたこういった動きは、事業のスケーラビリティやより迅速で信頼のおけるデータの使用という点において大きな可能性を開きました。
William Hillのデータサイエンス&デジタル担当グローバルヘッドであるDavid Parfett氏は次のように語っています。「私たちは、顧客エクスペリエンスを向上させるだけでなく、新たな市場への参入や新たなブランドの構築を実現するような、包括的なデータサイエンスモデルの構築を目指していました。この点において、マーケットプレイスにおけるアジリティが鍵となっており、それには、自由なスケーリングやイノベーションが可能な将来を見据えたデータプラットフォームが欠かせません。」
すべては顧客のために
アキュムレーターベットを取り扱っている「ACCA Club」を例にとると、同社は顧客にリアルタイムのボーナスバランスを提供しています。Snowflakeは、ボーナスバランスがデジタルデバイスに提供されるたびに、バランスを計算し顧客とのやり取りの結果をプッシュバックします。
従来のバッチ処理と異なり、Snowflakeは、ノートPCや電話といったさまざまなソースからのデータを集約します。TealiumやKafkaといったSnowflakeを介してシームレスに稼働する包括的なテクノロジースタックを利用することで、William Hillのデータチームは、以下によるリアルタイムに近いデータの取得に注力しています。
- データの即時処理
- 顧客のアクションへの即時対応
- より迅速でデータドリブンな意思決定に向けた、日中取引レポートによるビジネス支援
「高度なアナリティクスのためのCustomer 360(顧客の全方位的な把握)を構築するには、さまざまな運用システムや製品システムから取得したデータを結合、同化できる必要があります。当社の一元化されたデータプラットフォームであるSnowflakeは、これらを実現してくれ、William Hillがデジタルファーストな組織へ成長する中心的役割を果たしてくれます。」
— William Hillのデータサイエンス&デジタル担当グローバルヘッド、David Parfett氏
Snowflakeは、何十億という取引記録を保持しており、データサイエンティストによる履歴やリアルタイムデータを活用したビジネスインサイトの生成を実現しています。例えば、データサイエンスチームはマーケティングチームと密に連携することで、改善の余地があるエクスペリエンスやリピートを促すインセンティブの向上といったフォロー措置が必要な顧客を特定することができます。
次の内容
オンプレミスソリューションからの移行は、デジタル面での障害を克服するだけでなく、これまでとは異なるアプローチや心構えを育成することでもあります。技術的な課題というより、むしろ企業文化的な課題と言えます。
「技術的な問題ではなく、技術をこれまでとは違った使い方をするということを理解できるかどうかです。今では人々の手にデータを素早く渡すことができます。これを迅速に行えるのであれば、価値があると判断できる作業にリソースを集中することができます。」
— William Hillのデータサイエンス&デジタル担当グローバルヘッド、David Parfett氏